マネジメント

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マネジメント2022.4.28

賞与はモチベーションを向上させるか

この記事では眼科クリニックのスタッフマネジメントにおいて賞与がスタッフのモチベーションを向上させるかをお伝えしています。

■モチベーションはどのように左右されるか

そもそもモチベーションはどのように左右されるかご存知でしょうか?

先生によって異なると思いますが、一般的にモチベーションを左右する要素として「給与」「賞与」「やりがい」「人間関係」「労働時間」「休日」などが思い起こされるでしょう。

これらの要素それぞれが満たされてる(スタッフさんの理想に近い)ほど満足度が高くなり、満たされていない(理想と遠い)ほど不満足の度合が高くなる、と考えられる先生が多いかと思います。

例えば

給与が高ければ満足し、低ければ不満に思う

労働時間が短ければ満足し、長くなれば不満に思う

などです。

これは全くの不正解、というわけでは無いのですが、厳密には少し違うようです。

これらの要素とモチベーションの関係を明らかにしたのがハーズバーグです。

■ハーズバーグの動機付け衛生理論

これはアメリカの心理学者ハーズバーグが19世紀に発表したもので、仕事の生産性を向上させるにあたり、どのような要因が影響するのかを調べたものです。

この理論のおおきなポイントは

「特定の要因が満たされると満足し不足すると不満足に感じるのでは無く、満足する要因と不満足に繋がる要因はそれぞれ異なる」

としたところです。

ですから満足度に繋がる要因が満たされなくとも大きな不満足に繋がることは無く、一方で不満足に繋がる要因が満たされたとしても従業員は満足しない、ということです。

このような形で、

「達成感」「承認」「仕事そのもの」「昇進」「成長」は満足に繋がる動機付け要因

「給与」「労働時間」「上司との関係」「会社の方針」は不満足に繋がる衛生要因

とされています。

ですから例えば残業が全く無く、他院に比べて良い労働条件であったとしても大きな満足度には繋がらないということです。

ですからこの記事のタイトルでもある「賞与はモチベーションを向上させるか」という問いに対しては答えはノーとなります。

勿論全く向上しないわけではありませんが、賞与があるからといって大きな満足にはつながりません。

しかし、ここで注意をしなければいけないのが満足度には繋がらなくとも、不満足には繋がるということです。

モチベーションの向上には繋がらないのであれば渡さなくても良いではないか、としてしまうと不満足に繋がり生産性が低下、ひいては退職へと繋がってしまいます。

ですから賞与については不満足に感じられない程度に渡しておくのが良いでしょう。

■モチベーションを向上させるためには

モチベーションを向上させるためには動機付け要因を満たしてあげる必要があります。

例えばスタッフさんに「達成感」を味わってもらうために

LINE公式のお友達数で目標を設定しクリニック一丸となって患者さんに登録を促す声掛けをする

スタッフさん一人一人に年間目標を設定していただき、院長先生やリーダーと一緒に月1回程度進捗を確認する

などを行うと達成感を感じさせることができるでしょう。

(達成や進捗が明確になりますので定量で評価できる内容がお勧めです。)

目標が設定できるとそれを達成した際に達成感を満たすと共にスタッフ全員で認めあう、院長先生やリーダーが褒める、などの形で「承認」も満たすことができます。

このような形で意図的にスタッフさんが達成感や承認を味わえる状況を構築することでモチベーションを高められます。

細かな内容や、目標はクリニックやスタッフさん毎に異なると思いますが、動機付け要因を満たせる仕組みを作っていただき、スタッフさんのモチベーションを向上させてあげていただければと思います。

■最後に

クリニックはスタッフさんの協力があって初めて運営ができる組織で、その中でも眼科クリニックは検査があるため多くのスタッフさんの協力を必要とする組織です。

そのため働いてくれているスタッフさんお一人お一人のモチベーションが診察効率や患者満足度に大きく影響してきます。

スタッフさんのモチベーションを向上させるためにもどのような要因が満足に繋がるのか、あるいは不満足に繋がるのかを把握していただき、労働環境を整備していただければと思います。

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