オペレーション
operation
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この記事では眼科クリニックにおける患者さんの待ち時間を短縮する方法についてお伝えしています。
眼科クリニックの院長先生にとって「患者さんの待ち時間を短くしたい」は関心が高い経営課題の一つだと思います。
私の元に寄せられる相談においても全ての先生方に共通する経営課題と言っても過言では無いほど「患者さんの待ち時間」を意識をされてるようです。
待ち時間を短縮するにあたり院内で発生する待ち時間を分解して考えていきましょう。
眼科クリニックの待ち時間は下の4つに分解することができます。
それぞれの待ち時間によって患者さんの感じ方やクレームへの繋がりやすさ、対処法が異なります。
・検査待ち時間
受付をしてから検査に呼ばれるまでの待ち時間です。
先に問診だけを取って順番が来てから検査を行うスタイルと検査と問診を同時に行うスタイルで患者さんの印象が変わるのですが、いずれにしても他の待ち時間に比べて不満に繋がりづらい傾向があります。
・診察待ち時間
検査が終わってから診察までの待ち時間です。
患者さん側からすると検査が終わればそろそろ診察だな、というイメージがあるためかこの診察待ち時間が長くなると不満に繋がりやすく注意が必要です。
・会計待ち時間
診察が終わってから会計までの待ち時間です。
患者さん側からすると“受診”という目的が終了しているため、心情としては早く会計を済ませて帰りたいという状態になっており、他の待ち時間に比べて一番クレームに繋がりやすい時間です。
診察が終わった後は先生が患者さんとコミュニケーションを取ることが無いため、ここで不満が発生していても把握が難しく対処が難しい時間でもあります。
・全体待ち時間
クリニックに入ってから出るまでのトータルの待ち時間で、院内滞在時間と言い換えることもできます。
患者さん側は「受付をしてから会計をするまでの時間が長いか短いか」で認識をしている一方、クリニック側は患者さん一人一人の滞在時間を把握しておらず「標榜時間に対してどの程度延長したか」で認識をしているため双方の認識にズレが発生しやすい時間です。
特に受付開始直後に一気に大勢の来院があり、徐々に来院ペースが落ちてくるクリニックで認識のズレが発生しやすくなります。
待ち時間を減少させるために診察効率の向上は欠かせませんがそれだけでは待ち時間が短くなりません。
これは眼科の診療スタイルが「検査→診察」という流れになっているためで、単に診察効率だけを向上させても検査で詰まってしまうと診察室にカルテが回ってきません。
その反対に診察効率が悪く、一人あたりの診察に時間がかかる場合は診察室にカルテが溜まり待ち時間が長くなります。
【診察速い・検査遅い】パターン
・検査待ち時間 長い
・診察待ち時間 短い
・全体待ち時間 長い
検査に呼ばれるまでの待ち時間が長く、その結果全体の待ち時間(院内滞在時間)も長くなります。
【診察遅い・検査速い】パターン
・検査待ち時間 短い
・診察待ち時間 長い
・全体待ち時間 長い
検査にはすぐ呼ばれるものの診察待ちが長く、その結果全体の待ち時間(院内滞在時間)も長くなります。
このように検査と診察のいずれかで時間がかかると院内滞在時間が長くなりますので眼科では診察効率と検査効率それぞれをバランス良く向上させることが大切です。
以前であれば長時間待つことを「人気のクリニックだから待ち時間があっても仕方が無い」と我慢していた方も、新型コロナウイルスの流行以降混み合った待合室で長時間待つことに抵抗感を覚える方が出てきています。
日本医師会が実施している「日本の医療に関する意識調査」でも待ち時間への不満が増加していることからもこのことが読み取れます。
ご自身のクリニックでどの程度の待ち時間があるのか、手始めに受付時間と会計時間をチェックしてみてはいかがでしょうか?
機種にもよりますが電子カルテであれば院内滞在時間を表示されることもできますので患者さんの待ち時間を把握したことが無い、とおっしゃる先生は一度サポートセンターに確認していただくと良いでしょう。
紙カルテのクリニックであれば受付時間と会計時間を患者さん毎にメモをすることで院内滞在時間を把握できます。
その上で平均待ち時間が長いようであればどこで待ち時間が長くなっているのかを解明し、検査効率と診察効率をバランス良く改善していただければと思います。